【紅緒文庫からのご案内】
「武器としての決断思考」(瀧本哲史著 星海社新書)
決断によって迷いを捨て
人生を切り開け! (東大No.1ベストセラー)
東大x京大xマッキンゼー式「意思決定の授業」
本書は、私が今、京都大学で二十歳前後の学生に教えている「意思決定の授業」を一冊に凝縮したものです。
今後、カオスの時代を生きていく若い世代に一番必要なのは、意思決定の方法を学ぶことであり、決断力を身につけることです。
もう過去のやり方は通用しないし、人生のレールみたいなものもなくなってしまいました。「答え」は誰も教えてくれません。
となれば、自分人生は、自分で考えて、自分で決めていくしかないのです。仕事をどうするか、家庭をどうするか、人生をどうするか?
この本で私と一緒に「自分で答えを出すための思考法」を学んでいきましょう。きっと、あなたの人生を変える授業になるはずです。
はじめに
「武器としての教養(リベラルアーツ)」を身につけろ
・人間を自由にするための学問
リベラルアーツは未来の日本を支えていく10代~20代の若い世代に
こそ必要。
・「学問のすすめ」は、いま、若い世代こそ読むべき
変化が激しい今の時代、これまでの価値観や方法、人生のルールとい
うものは、意味をなさなくなってきている。
さらに、断言すれば、これからの日本はもっともっと厳しい状況にる。
(中略)
といってもそれは、大学生がパンキョーと呼んでいるモノとは違います。極論を言ってしまえば、大学教養課程で教えている一般教養は、
大学教授を食わせるためのものでしかなく、本来の意味での「リベラルアーツ」とはほど遠い。
福沢諭吉「学問のすすめ」の一節から
「学問というのは、ただ難しい字を知って、わかりにくい昔の文章を 読み、また、和歌を楽しみ、詩をつくる、といったような世の中での実用性のない学問を言っているのではない。(中略)いま、こうした実用性のない学問はとりあえず後回しにして、一生懸命にやるべきは、普通の生活に役に立つ実学である」(引用『現代語訳学問のすすめ』齋藤孝訳/ちくま新書)
・私の職業は「軍事顧問」
これからの日本を支えていく若い世代に「武器」を配ること。それが、いまの私の使命だと考えています。
武器とは、この時代に必要な教養であり、実学のことです。
皆さんは。ある意味、ゲリラのような存在です。中央政府が崩壊して、正規軍がいなくなった。正規軍と自称している人たちも自分たちを守ってくれる保証はない。
だから、自由と解放を求めて自ら戦場に立たなければならない。でも、戦った経験がないから、いきなり最前線に、、、(中略)
つまり、いま私が行いたいのは、無力なゲリラである若者たちが、自分たちが弱者である日本社会というフィールドで戦えるように、「武器としての教養」を配ることなのです。
・どんなことも自分で決めていく時代の「決断思考」
(前略)、、ひとつ言えることは、言葉は同じでも、時代によって必要となる教養の姿は変わっていくということ。
(中略)
ゲリラである皆さんが優先的に身につけるべきは「意思決定の方法」です。
なぜ、武器が必要?
それは、若い世代は今後ありとあらゆるジャンルにおいて、自分で考え、自分で決めていかなければならない場面が増えていくからです。
(中略)
こんな時代を生きる私たちは、過去のやり方が通用せず、未来予想もうまくできないなかで、自分の人生や家族の将来を見据えながら。ひとつひとつ現時点で最善と思える「意思決定」を行っていかなければなりません。
議論における「正しさ」とは何か
・「正しい主張」の条件とは
(前略)
「根拠の優劣」をもって、どちらが正しいか判断します。
言い換えると、「誰が」言ったかではなく、「何を」言ったかということです。素人の意見だろうが、その人の発言のロジックが正しければ採用するし、専門家であっても、言っている内容がメチャクチャであれば負けに。
要は、「俺はそう思う」「みんながそういっている」じゃダメ。
同様に、「あの人はいつもいいことを言っているから、今回もいいことを言っているに違いない」とか、「あいつは嫌なヤツだから信用できない」といった判断もナンセンス。
好き嫌いや実名匿名、プロアマに関係なく、その主張に根拠があるかどうか、それだけが判断材料に。
「正しい主張」の3条件
1.主張に根拠がある
2.根拠が反論にさらされている
3.根拠が反論に耐えた
・根拠があるかどうかを判断する方法
「なぜそうなんですか?」と聞くだけ。
・反論について考えるときに重要なのが、「裏をとる」のではなく「逆をとる」ということ。
・賛否両論でも「決めること」が大事
正解ではなく、いまの最善解を導き出す。
よくあるパターンは、「賛否両論だからきめない」こと。「いろいろな意見があってよくわからないから、とりあえずそのままにしておこう」と問題を先送りすることが。実は情報をコントロールするような人はそれが狙いだったりする。賛成の意見と反対の意見を適当にばらまいて、議論の収拾をつかなくし、現状を存続させる方向にもっていくのは、情報コントロールの基本中の基本。そういった「腹黒い優秀な人」に好き勝手にやらせないためにも、いろいろな意見がでたら、しっかりそれぞれの根拠に対して反論しあって、暫定的な結論まで持っていかなければなりません。
・主張と根拠をつなぐ「推論」
「なんで?」と問うことが重要・
推論には。大きく分けて3つのタイプが。
1.演繹
2.帰納
3.因果関係
相手の主張の「推論」の部分に目を向ける・
情報を鵜呑みにするな!
自分の頭と足をつかって「価値のある情報」を取りにいこう。
「ディベート思考」の考え方
判定は「質x量x確率」で考える
「起こる確率」もしっかりと視野に入れる。
「最後の最後は○○で決める」
何らかの絶対解や真実を求めようとすることは、「誰かの決めた正解」や、すでに役割を終えた「古い意思決定」に頼ってしまうという、最も危険な考え方、そして生き方につながる。
どういう生き方を望むか。
ずっと何かに頼っていく生き方を望むのか?
それとも、自分の人生は自分で決めるという、困難ではあるけれど自由な生き方を望むのか?
後者を望むのであれば、ディベートをはじめとする一般教養(レベラルアーツ)は、あなたの大きな武器となるでしょう。
人間を自由にするのが、学問の本来の姿なのです。
私たち人間の尊さは、「思考」の中にこそある。
《著者紹介》
瀧本哲史
京都大学客員准教授、エンジェル投資家
東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用されるも、自分の人生を自分で決断できるような生き方を追求するという観点から、マッキンゼーに転職。3年で独立し、今世紀中には返済できないほどの借金を負ってしまった企業の再建などを手がける。また、他の投資家が見捨てた会社、ビジネスアイデアしかない会社への投資でも実績を上げる。京都大学では「意思決定論」「起業論」「交渉論」の授業を担当し、教室から学生があふれるほどの人気講義になっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)